主なアレルギー疾患
花粉症、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー など
花粉症
花粉症は、花粉がアレルギー症状を引き起こすアレルゲンとなる季節性のアレルギー性疾患です。原因となる花粉としては、スギやヒノキがよく知られていますが、実際には沢山の種類があり、飛散する季節もそれぞれ異なっています。たとえばスギやヒノキの花粉は冬の終わりから春先ごろ、シラカンバやイネ科では春から初夏ごろ、ブタクサは夏から初秋などとなっています。
患者さまがどの花粉に反応するかが特定できたならば、花粉が飛散する時期にマスクやゴーグルを使用したり、服に花粉を付けたまま室内に持ち込まないようにしたりします。さらに、薬物療法として、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬を使用します。鼻の粘膜の炎症が強い場合は、鼻噴霧用ステロイド剤を使用する場合もあります。
蕁麻疹
蕁麻疹は、皮膚に痒みを伴う盛り上がりや赤みが突然現れてしまう病気です。こうした皮膚症状は数十分から数時間で治まりますが、何度も繰り返し、つらい症状が1ヶ月以上も続く場合もあります。原因は様々で、食べ物によるアレルギー性のものや、皮膚を引っ掻いたことや急な温度差、日光や汗など物理的な刺激によっておこるものもありますが、原因が特定できないような場合もあります。治療については、まずは発症原因を遠ざけること、さらに薬物治療として抗アレルギー薬を用います。慢性化してしまうと治療期間が長くなることが多いので早めの治療をお勧めします。慢性化した場合にも継続治療により改善が見込めるので一度いただければと思います。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、強い痒みや特徴的な皮疹がみられ、皮膚症状が悪くなったり改善したりを繰り返す慢性疾患です。皮疹は左右の同じような場所に湿疹が現れ、赤みを帯びた紅斑や丘疹、ジュクジュクと液が出る、皮膚が乾燥し硬くゴワゴワした状態になります。
原因は、アレルギーを起こしやすい体質や遺伝などが発症に関与していると考えられています。また、ダニやホコリ、発汗などの物理的刺激や精神的ストレスなどはアトピーの症状を悪化させることが知られています。治療の基本は薬物療法、スキンケア、悪化因子への対策です。アトピー性皮膚炎の患者様のお肌はバリア機能が低下し、乾燥しやすく、炎症が起こりやすい状態のため低下した皮膚のバリア機能を正常な状態に近づけてあげるよう継続的なスキンケアが重要です。
食物アレルギー
食物アレルギーは、文字通り食物がアレルゲンとなり、体に様々な症状が出てしまうアレルギー疾患です。原因となる食物は、卵、落花生、小麦、乳製品など様々あります。こうしたアレルゲンを摂取することで免疫機能が過剰に反応し、まぶたの腫れ、目の痒み、充血、鼻水、くしゃみ、咳、喘鳴、嘔吐、蕁麻疹、痒みなどが現れるようになります。特に、アナフィラキシーショックは、アレルゲンである食物などが原因となって、激しいアレルギー反応が全身に生じ、患者さまによっては生命に影響することもあります。